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2011年11月27日日曜日

86(ハチロク)出現!!日本車再生の始まり。

それは「〇月〇日に富士スピードウェイに来ませんか?」一本の電話から始まった。その日は早朝のこんなシーンから始まったのだった。

このクルマの企画を最初に聞いたのはいつのことだっただろうか。すっかり衰えた記憶力のせいで定かではないが、インタビューを受けたのは数年前(2006年頃)だったか。

可能なかぎりコンパクトに、できれば1300㏄、1500㏄前後の排気量でパフォーマンス(動力性能)に依存しない、初心者でもエントリーが容易で、酸いも甘いも知り尽くした練達の熟年にも対応できる。環境負荷を真剣に考えるのなら、西欧近代が陥っている消費不可能な性能の競い合いから速やかに反転する必要があり、単にモノとしてクルマから人(の能力)との関係としてあるクルマを模索するべきだ。

軽く小さく面白く。テーマをシンプルに設定できるLight Weight Sports carは、自由と持続可能性が問われるパーソナルモビリティツールとしての自動車のこれからを考える時に、もっとも有効な解のひとつに掲げることができる魅力溢れるテーマだろう。長くクルマに関わってきた者として、それは十分に検討に値するものだとかねてから構想を練ってきた。

お前が望むスポーツカーはどんなものか? 問われて、そのような持論を踏まえた理想を述べたことを思い出す。相前後して、トヨタとスバルの資本・業務提携が発表されていた。朝日新聞が『トヨタがスバルの水平対向エンジンを搭載するスポーツカーを開発』というスクープを報じたのは2007年のことだったか。それを追うようにBC誌がトヨタ・ボクサースポーツの可能性を報じ、それについてのコメントをD誌に求められ「それはない」と答えたのは、先のインタビューの件があったからだった。

ところが、2007年9月にIAAフランクフルトショー取材に出掛けた帰路、偶然空港のロビーで件の担当チーフエンジニア(CE)とばったり遭遇した際「ヨタハチ(トヨタスポーツ800)というのはどうですかね?」謎掛けのような問いかけをされて、得心した。トヨタの歴史をひもとくと、クルマの生命線となるパワートレインを自前で賄わない場合、身が入らないことが多く、成功例は少ない。トヨタとスバルのコラボに懐疑的だったのはそういう経緯を踏まえてのことだったが、2009年の東京モーターショー(TMS)でFT86コンセプトは現実として姿を現した。

あれから2年。今年に入ってジュネーブで当初のFT-86コンセプトからFT-86Ⅱコンセプトへとコンセプトの段階でモデルチェンジを行い、ニューヨークでサイオンFR-Sコンセプトを発表したあとは上海、IAAフランクフルトと進展を見せることなかったが、TMSが迫った10月に入って急に動きが慌ただしくなってきた。

IAAではニュースがある……そう聞かされて勇躍乗り込んでみたら何もなし。ガッカリして帰国すると、やおら電話があり富士スピードウェイに来いという。テストの模様を取材させるということだったが、いざ駆けつけると2時間たっぷり乗って良いと言う。6速MTとサイオンブランドと思しき6速AT。いずれも左ハンドルで、ディテールをマスキングで擬装した試作車だった。

タイヤは215/45R17サイズながら、銘柄はミシュランPRIMACY HP プリウスに装着される低転がり抵抗モデルであるという。タイヤに依存しない開発。詳細については正式発表を待ってもいいと思うが、FRの基本に立ち返り、パワーに過度に依存せずに低重心と軽量コンパクトで直感的にハンドリングを楽しめるクルマ作りを目指したと言う。その狙いとする走りについてはこの動画を見ていただければ一目瞭然かもしれない。僕がドライブする86のステアリング操作を捉えたインカー映像である

富士スピードウェイ初試走の終盤、多田哲哉CEにステアリングを握ってもらい、車上インタビューを試みた。試乗した印象を踏まえていくつかの質問を行っている

さらに、今回の約2時間に及ぶテストの後に行われたプレゼンテーションの模様をご覧いただく。イントロダクション車両概要の確信部分、そしてエピローグともいえる余談です。じっくりお楽しみください。
http://www.youtube.com/watch?v=Tzie8nmkEg4

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